-前兆-

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中は薄暗いつくりになっていて、テーブルの数も少ない。 一つひとつのテーブルのうえには、そこ専用のライトだと思われる淡いオレンジが照らしていた。 おしゃれでどこか落ち着く。 テーブルを挟みソファーのような椅子で、まるで個室のような作り。 ここはイタリアン料理を出しているみたいだ。 お店の雰囲気もどこかそんな感じだった。 二人は座り、しばらくすると店員らしき人が現れた。 「こんにちは」 優しく微笑む。 二人は少し安心した。優しそうな年配のおじさんだった。 おじさんはメニューと水を渡してくれた。 ずっと二人についてられるのは客が隼人と真樹しかいないからだろう。 「メニューが決まったら…あっ、今日のオススメにするかい??サービスするよ」 しばらく談笑したあと二人は“オススメ”を注文し、おじさんにメニューを渡した。 少し時間かかるから…といってサラダとパンのサービスをもらった。 「すごくイイひとだね」 真樹から話を切り出した。 「そういえばさ、二人でこんな風にゆっくり話すとか久しぶりだよね」 真樹は嬉しそうに笑った。 隼人も微笑みかえした。
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