空虚

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 酒のせいでおぼつかない足取りをする身体を必死に動かして、玄関に向かった。ちょうどそのとき、タイミングよくドアが開いた。 「はる…?」  そこに立っていたのは、遥の母親だった。会うのは、将来結婚する旨を伝えた時以来だ。 「宏明君…勝手に鍵開けてしまってごめんなさいね…。遥からこの時間は宏明君がいないって聞いていたから。」 「いえ…あの遥は?」 「バイトに行ってるわ。最近あの子バイト沢山入れてて、荷物を取りに行く暇もないみたいなのよ。」  また遥に逢える、という今まで心の支えにしていたものがあっけなく砕けた。
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