12人が本棚に入れています
本棚に追加
酒のせいでおぼつかない足取りをする身体を必死に動かして、玄関に向かった。ちょうどそのとき、タイミングよくドアが開いた。
「はる…?」
そこに立っていたのは、遥の母親だった。会うのは、将来結婚する旨を伝えた時以来だ。
「宏明君…勝手に鍵開けてしまってごめんなさいね…。遥からこの時間は宏明君がいないって聞いていたから。」
「いえ…あの遥は?」
「バイトに行ってるわ。最近あの子バイト沢山入れてて、荷物を取りに行く暇もないみたいなのよ。」
また遥に逢える、という今まで心の支えにしていたものがあっけなく砕けた。
最初のコメントを投稿しよう!