空虚

8/12
前へ
/88ページ
次へ
 遥の着ていた服に触れ、片付けていくたびに2人の生活をたくさん思い出した。  この服は遥が欲しい欲しいとせがんできたから買ってやった服だ。あの時は金があんまりなくて、気乗りしなかったが、与えてやった時に嬉しそうな顔をした遥を見て、コイツ可愛すぎるだろと思ったっけ…  この服、一緒に北海道行ったときに着てたよな。  思い出せばキリがない。遥はきっとそんな思い出や俺のことを忘れて、また、この服で自分を着飾るのだろうか。 俺の知らない男のために。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加