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「そして、娘が宏明君を裏切ってしまって本当にごめんなさい。」
お母さんはそう言うと頭を深く下げた。突然のことでかなり戸惑ってしまった。
「お母さん、やめてください。」
律儀な人だと思った。すごくまっすぐな人だとも思った。お母さんはまったく悪くないにも関わらず、遥や俺のために頭を下げてくれた。
「ほら…頭をあげてくださいよ。」
そう言ってお母さんの肩に触れた。遥と同じように華奢な身体だった。 顔を上げたお母さんの目には涙が浮かんでいた。
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