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死神は、30mを超える鋼の巨人であり、傷一つ無い装甲は白かった。
そして二つ並んだカメラアイは鈍く光る。
紅く、紅く、獲物を見据える様に・・・
モニター越しに光る眼光にブリッジ一同は、堪らず息を飲んだ。
鋼の巨人は、手に持つ長銃を構えた。
銃口に光が集まる。
破壊の光が・・・
光が臨界にたし、放たれたようした。
誰もの脳裏にも、諦めが浮かぶ。
ガァアァァァァァンッ!
本来真空の宇宙空間では、音は響かないのだが、モニターには轟音を想像させる映像が映し出された。
乱入した物が、鋼の巨人を殴り突けたのだ。
乱入者には、腕こそ有るものの決して人型とは云えない姿をしている。
横長の五角形のボディに、独立した頭部は無くボディにカメラアイが設置されている。
長い腕に、大きな手、足が有るべき所には、多方向スラスターが存在した。
「あのギガ・アームは誰のだ!」
艦長は乱入した機体について、確認の命令を飛ばす。
「あれは・・・外作業機甲隊所属の曽根川隊員です。」
近くのオペレーターが直ぐ様答えた。
「あの若者か・・・」
若者を死の危険に晒す事への苦悩と、破滅が少し伸びた安堵が混ざった、複雑な表情を浮かべた。
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