1.the first seal 第一の封印

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「有り難いね!朝にスタンドでツナサンド食った切りなんだよ」 アンダーソンは時間外はダウンタウンの人々を対象に無料で診察している。 この地区は保険に入れない住人が多く、保険無しで診察代を現金払い出来る状況ではないのだ。 その診察費を肩代わりする御陰で、何時も金欠で看護婦が雇えず、アンダーソンは24時間フルタイム一人で患者を相手にして居る。 そんな訳で非番の日はクロスターも手伝いに刈り出されて居た。 「で?行方不明の院生の手がかりは?」 刑事は全然無いと応える代わりに、首をすくめる。バーガーを勢い良く口に放り込んだアンダーソンは、喉が詰まったのか慌ててコーラのストローを咥えると、喉を鳴らして飲み込んだ。 「――ラスティ、誰も御前の食事は邪魔しないから、ゆっくり食えよ…」 「何時急患が来るかと思うとな、嫌でも早飯食いになる。――それにしても、今日日の学生は何を考えてるんだかなあ。コロンビア大学の研究員の何処が不満で、犯罪に巻き込まれるような後ろ暗い事をするんだか」 「御前も院生が何かやってたと思うか」 アンダーソンは、ストローを指示棒代わりにして宙を示した。
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