マーガリンの恋(中編)

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「あ、マーガリンさん、この人ジャムさんに用があるみたいなんですけど、ジャムさんいますか?」   「あ、ジャムさんなら買い物に行ってて…もう帰って来ると思うけど。」    「…だそうですけど、良かったら待たれますか?」   「すいません、そうさせてもらいます」   「アァン、アァン」   バターは嬉しそうに鳴いた。         「良かったらお茶どうぞ」    「ありがとう、朝の怪我は大丈夫だった?」   「あ、全然大丈夫です」   「それなら良かった!あ、僕は越前リャウマ。宜しくね」   「私はマーガリンって言います。よろしゅ…よろしくです。」   マーガリンは関西弁をなんとかごまかした。   「…」   「…」   「…」   話題がないのかみんな沈黙。家族でテレビを見ながらご飯を食べてる時にエッチなシーンになった時ぐらいの沈黙…   「リャウマさんはジャムさんにどんな用があって来たんですか?」   遂にマーガリンが沈黙を撃破。   「あ、チーズケーキの作り方を教えてもらいたくて来ました!」   目を輝かせながら答える越前…   「…」   思わず黙るマーガリン。次の瞬間アンパンが…口を開く…   「あのぉ、ここ『パン工場』なんですよ?『パン』が『メイン』なんですよ?『パン屋』と『ケーキ屋』は違い…ますよね?」   「…!!!」   越前はアンパンの言葉に納得したように黙ってしまった… 更に追い討ちをかけるようにアンパンは言う。
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