1ーThe boy who was rolled upー

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靴を履き、校舎の外に出た。 家に帰る道程の途中で必ず校庭の横を通らなければならない。 校庭の横を通りながら再度校庭を見ると、雲間からの月明かりに照らされた一人の女性の姿があった。 上之宮 玲菜。 社長令嬢にして学園一の秀才。 その金髪の髪と端正な容姿には学園内外を問わずファンも多い。 「上之宮さん…?こんな所で何してるんだろう…」 その綺麗な顔は、緊張で強張っているように見えた。 声をかけられる雰囲気でも無く、それでも彼女の事が気になったひかるは木の陰から様子を伺う。 暫くして、一人が校庭の向こうから駆けてきた。 「おっまたせー!」 声からしておそらくは女性。 何か聞き覚えのある声、口調ではあるが、距離がある為はっきりとは聞こえない。 だが玲菜が学園の生徒である以上、相手もそうであるだろうから不思議な事ではなかった。 「全く…天見さん、あなたには緊張感というものが無いの?!」 「えへへ、悪い悪い!」 「え…あ、愛流?」 玲菜が今言った名前。 意識して聞いたその声の独特な明るい口調は幼なじみの愛流そのものだった。 「愛流と上之宮さんって、仲良かったっけ…?」 仲が良いどころか、ひかるは二人が学園内で話しているところすら見た事がなかった。 こっそりと少し距離を詰める。 「ほいで、今日の敵さんは本当に此処に来るの?」 「えぇ、研究部門の予測は間違いないわ。本部は第一種戦闘配置。もうすぐ輸送ヘリがバトルスーツをここに投下する」
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