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―敵?バトルスーツ?一体何の話だろう…。
「あ、そうそう…今回の作戦はいつもと違って一般人の目に触れられる可能性があるから、空間遮断装置を校庭の四方に設置したわ。奴らが来たら空間を遮断。一般人への影響を少なくします」
「やっほーう!そしたらいつも通り自由に暴れられるってことだよね?わっくわくする!」
「そうなるけど…。だから!天見さんはもうちょっと緊張感を持ちなさい!組織きってのエースパイロットでも、いつか足下を救われるわよ?」
「はーいはい!」
―一体彼女達は此処で何を始める気なんだろうか?
いくら幼なじみの愛流がいるとはいえ、簡単に声をかけられる雰囲気ではなかった。
それから間もなくして、ヘリが校庭の上空に飛来してきた。
消音ヘリなのだろう、音はほとんどしていない。
ヘリは校庭に何かを投下したあと、空の彼方へと去っていった。
大きな音を立てて物体が地面に叩き付けられる。
それは黒い箱の様なものだった。
「へっへー、待ってました!」
愛流が意気揚々とその箱へと向かう。
「うーん…見られてもまずいし…もう空間遮断装置、作動させましょう」
次の瞬間、玲菜はポケットから端末を出してスイッチを押した。
校庭の四方から機械音がする。
「え…!?」
慌てて後ろを振り返ると、そこには信じられない光景が広がっていた。
壁、壁、壁。
さっきまで金網越しに見えていた住宅街は消え去り、そこには真っ白な壁の様なものがそびえ立っていた。
見回せば、上空もそれで覆われている。
慌てふためくひかるに気づかず、二人は黒い箱の中へと入り込む。
暫くして、その箱がゆっくりと開いた。
そこには、今まで見た事もないようなものが鎮座していた。
大きさは2.5メートル程の無骨な人型の機械。
アニメで見る巨大ロボのような駆動部が機械音を立てて稼働する。
前面はガラスのような物に覆われ、その中に愛流と玲菜が乗り込んでいるのが確認出来た。
「なんだよ…あれ…」
ー僕は…もしかしてとんでもない事に巻き込まれたのか?
その時、玲菜が叫んだ。
「レーダーに反応!5時の方向に急接近中!来るわ!」
両機体が同じ方向を向く。
つられてひかるもその方向を向いた。
「え…?」
次の瞬間、目線の先の空間が亀裂が入ったかのように裂けた。
そこから身を乗り出したものもまた、ひかるが今まで見た事もないような物体だった。
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