0人が本棚に入れています
本棚に追加
「何だよ…あれ」
それは、初見では人のようにも見えた。
だがしかし、決して人ではない。
空間から這い出てきたそれは、大きさは4メートル程。
手足が異常に細長く、肌は茶色、顔にあたる部分にはよく判らない仮面のような物を付けていた。
「来た来た来たぁ!玲菜、武装は?!」
「いつも通り!と、六連装ランチャーポッド!愛流は弾幕を張って引き付けて!私は背後から攻撃する!」
「了解ッッ!食らえぇええッッ!」
黒い箱からランチャーポッドを取り出すと、「それ」に向かって乱射する。
次々と着弾し、土煙がもうもうと立ち込めた。
煙が晴れた後、「それ」はミサイルの直撃を受けたのにも関わらず立っていた。
―アァア"ア"ア"ァアアッッ!
「それ」が咆哮し、愛流の機体に突進する。
「げ!やっば!」
機体がガードの構えを取る。
次の瞬間に「それ」が衝突し、機体が吹き飛んだ。
白い壁面に叩きつけられる。
「…痛ぅッッ!」
「それ」が追い討ちをかけるように機体に馬乗りになる。
「ちょ、これはヤバいって!玲菜!」
「分かってる!」
玲菜の機体が巨大なチェーンソーのような武器を抱えて「それ」に向かう。
「死になさい!」
大きく振りかぶって「それ」の首筋に刃を突き立てた。
「それ」は叫び、暴れ狂って玲菜の機体を振り払う。
その隙に愛流の機体は抜け出て自由となった。
愛流の機体が黒い箱の方へと走る。
追い掛ける「それ」を玲菜の機体が食い止めていた。
最初のコメントを投稿しよう!