0人が本棚に入れています
本棚に追加
「玲菜!奴、ダメージ受けてる様子ある?!」
「駄目!多分攻撃を受ける瞬間に防御幕を展開してる!遠距離からの攻撃じゃ間に合わないけど、今ある近接武器だと威力が足りない!」
「ふーむ…ど、う、し、よ、うかにゃー?…あ!玲菜の分のランチャーポッド借りるよ!」
「いいけど、どうする気?!」 「玲菜、奴を足止めしてて!出来れば弾幕を張って視界も妨害!」
「わかった!」
愛流の機体が黒い箱から取り出したもう一つの武器―戦略的大型ライフルM734を「それ」に向かって打ち続けている間に、玲菜の機体は黒い箱から武器を取り出す。
まさにぴったりと息の合った行動であった。
「愛流!」
「了解!」
愛流の機体が離れる。
すかさず玲菜の機体が弾幕を張った。
二人の猛攻に、「それ」は全く動けずにいた。
素早く愛流の機体が背後に回り込む。
「配置完了っと…。玲菜!撃ち方止め!」
ピタリと銃撃が止まった。
弾着の煙で視界は全くない。
「ゼロ距離での六連発ランチャーならどうだ!」
「な…!天美さん、あなた本気?!あなたもただじゃ済まないわよ?!」
「へっへー、だ!め!も!とぉおぉぉ!」
叫びながら「それ」の背中に銃口を密着させ、躊躇無く引き金を引いた。
凄まじい爆音と共に、爆風が辺りを凪ぎ払う。
木陰で見ていたひかるのところには十分距離があるにも関わらず、彼は立っているのがやっとだった。
暫くして、辺りの煙が晴れた。
最初のコメントを投稿しよう!