1ーThe boy who was rolled upー

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「玲菜!奴、ダメージ受けてる様子ある?!」 「駄目!多分攻撃を受ける瞬間に防御幕を展開してる!遠距離からの攻撃じゃ間に合わないけど、今ある近接武器だと威力が足りない!」 「ふーむ…ど、う、し、よ、うかにゃー?…あ!玲菜の分のランチャーポッド借りるよ!」 「いいけど、どうする気?!」 「玲菜、奴を足止めしてて!出来れば弾幕を張って視界も妨害!」  「わかった!」 愛流の機体が黒い箱から取り出したもう一つの武器―戦略的大型ライフルM734を「それ」に向かって打ち続けている間に、玲菜の機体は黒い箱から武器を取り出す。 まさにぴったりと息の合った行動であった。  「愛流!」 「了解!」 愛流の機体が離れる。  すかさず玲菜の機体が弾幕を張った。  二人の猛攻に、「それ」は全く動けずにいた。  素早く愛流の機体が背後に回り込む。  「配置完了っと…。玲菜!撃ち方止め!」 ピタリと銃撃が止まった。  弾着の煙で視界は全くない。 「ゼロ距離での六連発ランチャーならどうだ!」 「な…!天美さん、あなた本気?!あなたもただじゃ済まないわよ?!」 「へっへー、だ!め!も!とぉおぉぉ!」 叫びながら「それ」の背中に銃口を密着させ、躊躇無く引き金を引いた。  凄まじい爆音と共に、爆風が辺りを凪ぎ払う。 木陰で見ていたひかるのところには十分距離があるにも関わらず、彼は立っているのがやっとだった。  暫くして、辺りの煙が晴れた。
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