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《歌意》
桜の花の色は、早くもあせてしまったことだなあ。咲いたかいもなく、長雨が降りつづいて、賞美するひまもない間に〔私の容色も衰えてしまったなあ。むなしい恋の思いに明け暮れて、ぼんやりと物思いにふけっていた間に〕。
《解説》
花のうつろいを主題としながら、自分の容色の衰えを嘆いた歌。
《語法・文法》
「移りにけりな」の「に」は完了形「ぬ」の連用形、「けり」は詠嘆の助動詞。「な」は詠嘆・感動の終助詞。二句切れ。倒置。
《掛詞》
ふる:降る、経る
ながめ:長雨、眺め
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