9:小野小町

2/2
前へ
/24ページ
次へ
《歌意》 桜の花の色は、早くもあせてしまったことだなあ。咲いたかいもなく、長雨が降りつづいて、賞美するひまもない間に〔私の容色も衰えてしまったなあ。むなしい恋の思いに明け暮れて、ぼんやりと物思いにふけっていた間に〕。 《解説》 花のうつろいを主題としながら、自分の容色の衰えを嘆いた歌。 《語法・文法》 「移りにけりな」の「に」は完了形「ぬ」の連用形、「けり」は詠嘆の助動詞。「な」は詠嘆・感動の終助詞。二句切れ。倒置。 《掛詞》 ふる:降る、経る ながめ:長雨、眺め
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加