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ああ……何であの時無視しなかったんだろう。
いや、無視できるわけがない。
だっていきなり美少女が、
『キミ、名前は何というんだ?』
……なんて言ってきたら、名乗らないわけにはいかないだろう。
もしかしたら俺に? なーんて思っちゃうじゃないですか。
だから俺は内心ウキウキになりつつも冷静を装って名乗ったんだ。
……そしたらね、美少女は見事に期待を裏切ってくれました。
『安西 幸介です』
『よし幸介、キミをツチノコ探索部の副部長に任命する』
……もうね、意味分かんなかった。
それで唖然としてたらツチノコについて熱く語り出して、気付けば周りの生徒という生徒がガン見していて……。
「ツチノコの世界へようこそおぉぉぉぉッ!!!!」
「いやあぁぁぁぁッ!!!!」
視線に耐えきれなかったから逃げ出して……それを美少女が追ってきてこういう形になりました。
何なのこの人? もう本当に何なの?
俺の継続してきたノーマルライフが崩されそうな予感がしてならないんですけど。
「はぁっ……はぁっ……流石にここまでは追ってこないだろう……」
……風変わり美少女をなんとか振り切って、現在俺は男子トイレの中に非難している。
とりあえず一番奥のドアを開けて中に入り、洋式トイレの上に座って鍵をかけた。
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