コウキノイッセン

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コウキノイッセン

 魔法使い。  それはこの世に残る唯一の都市を護り抜き、それと同時にかつて滅びた世界へと歩み出る事の出来る崇高な存在である。  700年前、この世界のどこかに現れたと言われる一本の大樹から呼び起こされた大災害、“大樹の創世”  かつては科学の栄えたこの世界は大自然の猛威に呑み込まれ、人から造られたもの全て自然へと還っていくさなか、さらに世界を破滅の境地へと追い込む出来事が起きた。  特異な姿を持ち、卑しく煌めく核(レヴ)を持つ、謎の生命体の襲来。  人々は最先端の科学力を以て立ち向かうも、何人たりとも謎の生命体を破壊することは出来ずにやがて敗北。  科学の栄えた世界は大自然に呑み込まれ廃墟と化し、のちにヴェルナと呼ばれる謎の生命体が世界にのさばるようになった。  大自然と謎の生命体の猛威に世界の至る所で人類が滅んで行く中、唯一都市を護り切った場所があった。  科学の栄える世界中から異端扱いされ、追放された者たちだけが集って出来た都市『シェルノス』  彼らもまた世界同様、自らの都市を護るべく命を懸けて立ち向かったその時、奇跡が起きた。  彼らの使う異端の力とされた魔法は大自然の猛威を食い止め、科学の力では破壊することの出来なかったヴェルナの持つレヴを、唯一破壊することが出来たのである。  結果、皮肉にも世界が蔑んだ異端の力は彼らを生かし、栄えた科学の力は何の意味も成さず滅んでしまった。  それから700年後、この世に唯一存在する都市『シェルノス』では700年の歴史を経て、魔法使いは崇高なる絶対的なものになっていた。  今ではこの世は、魔法によって全てが成り立っているのであった──    
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