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「今からシミュレーションするマップは、このノアガーデンがある第七宙域の物だ。敵【GLAY】との接触は、各機事に多少の差はあるが。みなが乗っているBAの平均索敵速度でおよそ300カウント。班のメンバーの内誰か一人が撃墜された時点で、その班のシミュレーションは終了とする」
一度言葉を切り、教官は続ける。
「では、開始のカウントをする。10、9、8」
緊張してきた。レバー握る手が既に汗ばんでいる。
「ひかるっち、頑張ろうね」
「まあ、わたくしの足手まといにならないように」
殆ど同時に二人の通信が入ってきた。
「うん」
それだけ言うのが精一杯。
「2、1……スタート」
ペダルを踏んだ。背部に積んだ二基のスラスターが高い推進力を生み出し、一気に加速。
加速する際のGが多少呼吸をしづらくさせる。
「……やってみるよ」
私は誰に言うでもなくそう呟き、仮想とはいえ、宇宙を駆ける。
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