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――うわぁ、もうあんなに地球が小さくなってる!  数時間前まで自分がいた場所を見つめながら、私は心の中でそう叫んだ。  だって、今まで自分がいた所だし、今年で15歳になる私が今までずっと生きてきた場所だし。何だか、こう、感動? とは違うのかな。  そんな不思議な高揚感に包まれながら、私はその光景を見つめていた。  興奮が少し収まってきたところで一歩後ろに下がり、私は展望室をぐるりと見回した。広いのに、今は自分以外は誰もいない。時間も時間だからかな。  左手に付けた時計を見ると時刻はもうじき深夜2時。 「……私が今いる場所は、航宙艦の展望室……あ」  あ、またやってた。昔からの癖で、不安になったり緊張したりすると、今の自分の状況を口に出しちゃうこの妙な癖。幸い、今は誰もいないからいいけど、学園に入ったら寮生活で部屋も一人部屋じゃないから、この癖もなるべく出さないようにしなきゃ。 「……でも、今は良いよね」  そう、私が今から向かう場所は学園である。  備え付けのソファにボスっと座る。大きく伸びをし、そのまま背もたれに倒れた。 「……ノアガーデンかぁ。地球から行く人は少ないって先生言ってたけど……」  イジメとか、ないよね?  なんだか、心臓が嫌な心拍数の上がり方をしている気がする。  空調のゴーっと言う音が、広い展望室にポツンと一人いる私の心を、より一層不安にさせた。  ふと外を見ると、どれが地球なのか、もう分からなくなっていた。  
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