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――曽根川ひかる。この間の適正検査の結果だが、エーテル感応値が高い数値を示した。他の精神テストも問題無し、フォトン耐性もある。多少運動能力に難ありだが。 「はあ……」  地球にあるごく普通の学校に通う私は、ある日突然先生に呼び出されてそう言われた。上の「はあ……」は溜息じゃない。ただ、先生に対して何と答えていいか分からないから、そんな曖昧な返事をした。 「あの、適正検査ってこの間学年全員でやった、よく分からない検査ですよね? 軍服を着た人達に変な機械に通されたり、質問されたりしたやつ、ですよね?」 「……そうだ、全国でお前達と同じ学年の全ての子供達が受ける」  私は、その時にはまだ考えもしていなかったけど、ただ、先生が何かを言いづらそうにしている空気だけは感じとっていた。 「……それでだ、軍から要請があってだな、曽根川ひかる。お前を【BA】のパイロット候補生として養成機関に通うよう通達がきた」 「え?」  最初、先生が言っている事が良く理解できていなかった私です。     ▲ ▽ ▲ ▽  今から四十年位前に。宇宙開発の為地球を発った艦隊に突如として襲いかかった謎の生命体【GLAY】  目的不明、何処から来るのかも不明、神出鬼没で、教科書に乗ってた写真はすごくグロテスク。  で、その【GLAY】に対抗する為に開発された兵器が、人型機動兵器【Battle armor】通称【BA】  私が知っているのは学校で習った今位の知識のみで、つまりはロボット。以前クラスの軍オタクな男子がBA雑誌を読みながら「この機体はエーテル出力が」とか「フォトンの制御システムが」とか熱く語っていたのを思いだした。  とにかく、私がその段階で持っていたBAへのイメージは【悪い怪物をやっつける正義のロボット】という、とてもアバウトなものだった。
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