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「んで、なんで日射病になるまでぼ~っとしてたんだ?」
「ぼ~としてたんじゃないよ。ただ、空を見てたんだよ」
……ぼ~としてたんじゃん。
「なんで空を見てたんだ?」
そういえば俺が最初に見たときも空を見てたな……。
「あ、うん。ちょっと考え事をしてて……」
春佳は一瞬悲しそうに目を伏せる。
似ている……。
昔のあいつに……。
「っと、私を助けてくれてありがとうね。そろそろ帰るから」
「まてまて、せっかくだから昼飯でも食ってけ」
俺は何故か、悲しい表情をしたこの少女をそのまま帰す気にはならなかった。
「えっ、でも迷惑じゃないの?」
「そんな訳ないだろ?誘ってんのは俺なんだから」
春佳は少し考えて、
「うん!じゃあご馳走になるよ!」
と満面の笑みで答えた。
その笑顔はとても可愛いく、俺は見とれてしまった。
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