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「あんた、いくら女に飢えてるからっていっても、誘拐は犯罪だよ……」
「ちょっ!違うから!俺は、この女の子が突然倒れたからか連れてきただけ!」
まったく……。
なんて事を言うのかね、このオババは……。
「それよりも婆ちゃん!この子を見てくれよ」
婆ちゃんは昔看護婦をやっていたから、症状が分かるだろう。
「どれどれ?あ~、これは軽い日射病だね。少し寝かせとけばすぐに良くなるよ」
婆ちゃんは、女の子を布団に寝かせながら言った。
「そっか……。よかった」
俺は安堵のため息を吐きつつ、その場に座り込んだ。
「じゃあ、黒弥。私は、これから料理教室に行ってくるから、あとは頼んだよ」
「なに!?この女の子はどうするんだよ?」
「お前が看病するんだよ。目を覚ましたら水でもあげなよ。
じゃあ、行ってきます」
「ああ。いってらっしゃい……」
行っちゃった……。
若い男と女を二人っきりにするか?
普通はしないだろ……。
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