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――ロードスターは確かにいい車だし、現実でも欲しかったクルマだ。
しかし、せっかくのゲームなんだから、もう少し冒険してみても……――
そう思い、視線を目の前のロードスターから少しずらした、その瞬間。
――ロードスターの横に遠慮がちにたたずむ、白く薄汚れたそのマシンに、俺は目を奪われた。
「こ、これは……」
ロードスターと似てはいるが、さらに低くスラントしたノーズ。
時代遅れの砲弾型のフェンダーミラー。
逆に全く古臭さを感じさせない、ラウンドしたキャノピー。
何より、古のスーパーカーを思わせる、美しいハッチバック・クーペスタイル。
――見たことないような、あるような……
すると、そんな俺の様子に気がついた店員の男が、すぐさまこういった。
「あ、そのクルマはアウラ・RX-7の初代モデルですよ。78年に発表されたかなり旧いモデルですが、ロータリーエンジンの高出力で当時の走り屋たちに愛された一台ですよ」
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