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「お前は馬鹿だ」
若い外科医はいつもそう言って彼を罵倒し見下す。仲間達がそれを囃し立てる。
誰ひとりとして彼の味方になる人間がいなかった。
皆、あの外科医を恐れていた。
早く違う科にいきたい。
整形に行きたい。
早く仕事をものにしたい。
そう思いながら毎日を戦う。
彼は決して泣かなかった。
泣くどころか、彼は雑用をこなしながらも看護師としてのスキルを確実に上げていった。
それは誰もが認めた。
彼は明るく真面目で、不平を口にせず、いつもにこやかに患者と接する。
それは看護師としての、自分が自分である為のプライドだった。
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