弾きがね

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俺は初めて、ナンパされたらしい。 「なにか?」 俺が女に近づくと、女は手を差し延べこう言った。 「お友達になりましょう?」 そして俺は、首を傾げて微笑むその唇を疑うことなく、その手をとった。 何しろ、初めてのナンパだったしな。内心浮かれていたのだろう。 これが、俺と零奈が出会ったきかっけでもあり、踏み入れてはならない奈落の底へ堕ちてゆく瞬間だった。
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