1658人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
「ウソ、マジでココなの?つうか、これが、学校??」
ありえねぇ~と叫んだ後、あたしは目の前にそびえ建つ、どこぞの外国の宮殿のような建物を仰ぎ見ながら、呆然とその場に立ち尽くした。
広大な敷地を囲む鉄の柵を延々と巡り、たどり着いた、その天にそびえるほど高い門をくぐり抜け、歩き続ける事数十分。うっそうと茂る森に囲まれたゆるやかな坂道を登りきり、その先に見えたのは、白亜色の大きな建物。
歩き続けた疲れもぶっとぶほど、あたしは驚き、口をあんぐりと開けた。
あれ?
ここって…日本、だよね?
そんな勘違いをしてしまいそうなほど、その建物は異質で、無駄に豪華で、でかかった。
絢爛豪華ってこういう建物の事言うんだろうなぁ。
そんな風に思いながら、これから始まるこの学園での生活を思うと、自然とため息が出てしまう。
そして、ふと自分の格好に目をやった。
Tシャツにパーカー。
それとブラックジーンズという至ってシンプルな出で立ちが、この異空間でかなり浮きまくっていた。
はぁ…あたしみたいな平凡な女が、こんな派手なトコでやってけるのかなぁ?
なんの手も加えていない短めの髪をぐしゃぐしゃとかき乱し、あたしは、ガクンと今度は肩を落とし泣きそうになった。
最初のコメントを投稿しよう!