プロローグ

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そして、不良に背中を向けるかたちで立ち止まったまま俯き、 「……可愛い……?」 さっき不良に言われた言葉を、ボソボソと呟いた。 「あ、何か言った?」 腕を掴んでいる不良は、その呟いた事が聞き取れなかったようで、少し乱れた息を整えながら不機嫌そうな顔で聞き返してきた。 「ていうか、なに走らせてくれてんの? ちゃんと落とし前つけてもらうからね?」 緑色のTシャツを着た不良が追いついてきて、少しニヤつきながら正面に回りこんで、顔を覗き込もうとしてきた。
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