プロローグ

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四月中旬。雲は一つもなく、気温もさほど高くなくて心地よい風が吹いている。 城ヶ崎高校と阿霧(あぎり)駅をつなぐ道路の両脇に、住宅街が広がっている。 その道路に三人の学生が、一対二で向かい合っていた。 一人のほうは灰色のブレザーに白のカッターシャツ、黒の細いネクタイをしており、身長は150cmくらい。 二人のほうは身長が170cmくらいで、黒の学ランの下に色物のTシャツを着ており、ズボンは今にもずり落ちてしまいそうな位置に、なんとか留まっているような状態である。 また、二人とも金髪で、耳にはたくさんのピアスをつけている。 典型的な不良であることがわかる。
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