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浮気相手
着信履歴に名前が並ぶ
届いたメールは
読むこともなく削除した
今朝、貴方の部屋
貴方の隣で寝ていた女
貴方の浮気など
いまさら驚くこともない
謝るつもりなのか
別れ話なのか
そんなことはどうだっていい
メールや電話で済ますつもり？
そんな所が気に入らない
何故会いに来ない
私はここにいるの
貴方を待っているの
ひとり泣きながら
愛と憎しみを抱きしめて
早く来て
私を抱きしめて
この憎しみを散らしてよ
そうすれば貴方を赦せるの
ねぇ
まだ来ないの
やがて携帯は鳴りやみ
貴方は来ない
涙は涸れ
憎しみだけを抱え込む
なんとか立ち上がり
キッチンで水を飲む
冷たい水が喉を潤す
この憎しみをどうしてくれよう
包丁を手に取り
憎しみに殺意が宿る
その矛先は
あいつかあの女か
いい加減私だって気付く
浮気相手は私だった
手にした刃が
射し込む西日に妖しく光る
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