━点━

5/27
前へ
/182ページ
次へ
  ──… ───… 夢が終わり、静かに瞼を開く。 辺りは未だ暗闇、夜明け前に目が覚めたらしい。 ゆっくり上体を起こし、いつの間に流したのか涙を拭う。 (あの人は…山崎さん?どうして私の夢に…) フッ と何が動く気配を感じそちらに視線を送る。 暗闇に慣れてきたのか、座っている人の輪郭が見える。 隣に寝ていた人物を起こしてしまったのだろう。慌てて謝る梓に人影は制した。 「謝らんと えぇよ。 なんや、魘(ウナ)されとったから、起こそうとしただけやし」 どうやら、声の主は山崎のようである。 「…魘されてましたか?」 「少し…な」
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

415人が本棚に入れています
本棚に追加