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──…
───…
夢が終わり、静かに瞼を開く。
辺りは未だ暗闇、夜明け前に目が覚めたらしい。
ゆっくり上体を起こし、いつの間に流したのか涙を拭う。
(あの人は…山崎さん?どうして私の夢に…)
フッ と何が動く気配を感じそちらに視線を送る。
暗闇に慣れてきたのか、座っている人の輪郭が見える。
隣に寝ていた人物を起こしてしまったのだろう。慌てて謝る梓に人影は制した。
「謝らんと えぇよ。
なんや、魘(ウナ)されとったから、起こそうとしただけやし」
どうやら、声の主は山崎のようである。
「…魘されてましたか?」
「少し…な」
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