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驚いた。
アイツが、記憶喪失?
いやいや、そりゃねェだろ。
だってアイツはそんな…
「…貴方は、誰ですか?」
「は…やめろィ。覚えてんだろ?いつもより冗談キツいっての」
引きつった笑顔を見て察したのか、土方は俺の肩を掴んできた。
「総悟…こっち来い。説明してやるから」
「説明もクソも無ェだろ!?なあ覚えてんだろ!?なあ!!」
「ッ……ごめんなさい」
震えて怯えながら謝る俺の彼女。
…らしくねェ、
違ェだろ?お前はもっと
「…総悟。これ以上怯えさせるな」
状況を見兼ね、止む終えず近藤さんは言葉を挟んだ。
脱力した俺は、土方に肩を借りるような形で病室の外へ連れていかれた。
「…なんで、なんで」
コーヒーを渡され、宥められているのが分かる。
それでも俺は動揺を隠しきれなかった。
苦い顔をした土方はゆっくりと口を開いた。
「…実は、な」
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