13人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前に広がる満天の星達。
…あァそうか、
「……明日は、俺の誕生日だ」
今日は七夕。
織姫と彦星が年に一度だけ出会える日。
そんな日に記憶喪失になった彼女。
俺は余程神様に嫌われているらしい。
「チッ…皮肉だなァオイ」
きらきらと鬱陶しく輝く星。
その下で渇いた笑いを零す俺。
…意味ねーだろィ。
誕生日に、オメーがいなきゃ
プレゼント貰ったって、祝われたって何も……何も意味が無ェんだよ。
ふとキイ、とドアが開く音がして振り返ると
アイツがいた。
「…沖田、さん?」
「…!!な、何で来た」
「…なんとなく」
震えながらも俺に近づいてくる。
「…無理して近づかなくてもいいですぜ」
全否定するかの様にアイツはふるふると首を振る。
「…なんか、貴方のところに行かなきゃいけない気がするんです。その、…知らない人なのに、何ででしょうね」
不安げにふわりと笑みを浮かべて更に俺の傷を抉る。
…罪深ェ女だな、テメーは。
最初のコメントを投稿しよう!