出会い

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真新しいシューズを履き、教室に向かう途中、見覚えのある姿がそこにあった。 …誰だったかな…と思いながら横目でみていると、理香が小声で言った。 「あー、あの人、転校生だって。かっこいいよね。」 「えっ!そうなの?」 「うん。あっ、ほら、職員室入ってくでしょ?」 「そうなんだ…」 「まぁ、教室行こうよ。」 「あ、うん。」 何故だろう…転校生なんて知らないはずなのに… 似てる人だったのかな… そう思いながら教室へはいると、中学と変わらない風景が、そこに広がっていた。 「なぎさ!理香!」 走りながらこちらに向かってくるのは、なぎさと一番仲が良かった、 有野 悠紀であった。 「悠紀!久しぶり!元気そうだね。」 「そっちこそ!また同じクラスとかやっね!」 「本当だよね。」 それから三人でいろんなことを 話しているうちに、予鈴がなった。 席に座ると、隣が空いている。 いったい誰が座るのかな… まだ席に着いていない生徒だろうと、なぎさは思っていた。
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