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それから……
成瀬さんと一緒に寝てから三時間が経過……
司「……ぅ……ん……っ?」
僕は気持ち良く寝たので、気持ち良く起きたいのですが……世の中のみんなはそう上手くいっても、僕はそう上手くいかない様です。だって……
……僕……縛られてますもん。……なぜに?
僕はそう思い、状況に気付くとすぐに、辺りにいるはずの犯人(成瀬さん)を探します。
……いました。お茶?を飲みながら、何事もなかったかの様にテレビを見ています。
琴「…………」
僕はそんな成瀬さんに声を掛ける。
司「……成瀬さん?」
成瀬さんはゆっくりとテレビから視線を外し、僕の方を見て一言。
琴「……おはよ」
うん。おはよう……だね。……さすが成瀬さん……。恐ろしく……冷静です。
司「……いや……成瀬さん。おはよ……だけど……じゃなくて……ちょっと聞きたいんだけど……これ……なに?」
琴「……ヒモ状の……なわ?」
はい。それは馬鹿でも分かります。なんで僕がこんな状況なのかの説明をお願いしますね。
司「……いや……それは分かるよ。……僕が聞きたいのは……この…『綿100ぱーせんと』」
司「…………」
琴「…………」
……違う。……違うんだよ……僕が聞きたいのは縄の材質の事なんかじゃなくて……むしろ材質なんてどうでも良いよ。……そんな事……。
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