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それから、次第にモヤモヤしたものが胸に溜まる。何度も手紙を読んだ。けれど、なかなか踏み出せず何も出来ずにいた。そして、二週間後。
俺は雨宮 慶という人に電話をしてしまった。
「もしもし……藤堂要です……雨宮さんですか?」
「はい。お待ちしておりました。私はあなたの記憶を知っています。知りたかったら、今から言う住所に来て下さい。」
雨宮という男が言う住所を俺は近くにあったメモに書き写し、確認するとすぐに電話を切られた。俺はメモに書いてある住所を改めて見た。
隣町の住所だ。
あまり、この街から出ず、他の街の事はよく知らない。だから、住所を聞いてもパッとしなかった。とりあえず、買い物のおつりでコツコツ貯めたお金を財布に入れ、その住所の場所に向かう事にした。
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