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電車に乗り、タクシーでその住所に向かったがあまりお金はかからなかった。タクシーから降りると同時に大きな門が目に入る。そして、その奥には立派な日本家屋。そして、藤堂という名前が目に付いた。
「お邪魔します。」
玄関を開けるとスーツを着た真面目そうな男が立っていた。ノンフレーム眼鏡は男の特徴を際だたせている。
「お待ちしておりました。どうぞ、お入り下さい。」
そう言われ、足を踏み出すと同時に頭痛がした。あまりの痛みに思わず膝を付く。
この中に入りたくない。
体が訴えているのが分かる。しばらくすると男が俺の背中をさする。
「大丈夫ですか?」
「は、い。大丈夫です……。」
だいぶ頭痛も治まってきた。いったい何なんだろう。この家は俺の記憶に関係があるのかもしれない。
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