一章

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初夏の夜明けは早い。 ベッドから身を起こした恭平は、携帯を開く。 いつもの起床時間より、一時間ほど前。 エアコンをつけたままの部屋はひんやりしているが、恭平の背と脇は、汗が浮かんでいた。 喉が乾いている。 恭平は枕元に置いてある、ミネラルウォーターを口にした。 生ぬるい水だった。 夢をはっきり覚えているのは珍しいことだ。 美しい景色と あやうい色彩 どんな意味が あるのだろう… 階下の鍵の開閉音が聞こえた。 あいつはいつも、こんなに早く出勤しているのか。 ふん、と鼻を鳴らし、恭平はまた体を横たえた。 何やら軽い動悸がする。もう一寝入りは無理そうだ。 今日学校に行ったら、久々に彼に会うか。
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