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狩る者、狩られる者 -Hunter-
変化ってもんは意外にも劇的に起こりうるものであって、それ以上でもそれ以下でもない。
いきなり吸血鬼になったりするのとはまた別だけどな…。
まぁ、どうでもいいことをごちゃごちゃと並べるより前に、俺がこの場でまず言いたいことはこれだ。
ヤバい、死ぬ……!
「あら~ん、もう終わり? つっまらないなぁ。お姉さんまだ遊び足りないわ~」
月明かり。その青白い光に照らされた悪魔がゆっくりと近づいて来る。
手には波打つ巨剣、フランベルジュ。
「あんたに恨みは無いんだけれどぉ~、これも仕事だしぃ~」
いちいち語尾を無駄に伸ばしやがるなこの金髪女。
妙に猫なで声なのがさらに頭に来る。
楽しんでやがる。俺を嬲ることをだ。くそ、ドSだろこいつ。
「ま、悪く思わないでねん♪」
フランベルジュが振り上げられる。
俺はそれを眺めていることしか出来なかった。
何故かって?
両手両足が消し飛んでちゃ、どうにもならないだろ…。
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