900人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
夜風の日常 -(Not) always-
女難の相あり。
いつぞや調子に乗って、胡散臭い占い師に手相を見てもらった時に開口一番言われたのがそれだ。
いや、別に真に受けて悩んでいる訳じゃない。元々俺は占いなんて信じないし、結果が悪ければ尚更だ。
読者の皆さま方だってそうだろう? 朝ニュース番組の途中でやってる占いを見て、一喜一憂する。あれと同じだ。
「しかし、こいつぁ何の因果だ?」
寝惚け眼のまま、ひたすら歯を磨き続けている俺──影山夜風(かげやまよかぜ)に飛び込んできたのは、毎朝やってる目覚ましテレビの占いコーナーだった。
『ごめんなさ~い。今日の最下位はしし座のあなた。異性に対してトラブルがあるかも、遅い帰りは気を付けて』
またか。なんかここ最近(ゴールデンウィークを過ぎた辺りから)、最下位になるといっつも異性のトラブルを執拗に突っ込まれる。
何か、俺には女運ないから諦めろとでも言いたいのか全国の占いコーナーは。
というか、こういうテレビでやってる占いって、名前も顔も分からない不特定多数を相手にしてるわけだから、信憑性薄いよなあ…。
そんな俺の突っ込みが届く訳もなく、今人気の新人女子アナは根も葉もない占いを音読し続ける。
『ラッキーアイテムはピンクの腕時計。トラブルを回避することができるかも~!?』
…完全に女性限定だろこのラッキーアイテム。つくづく救われないな。
最初のコメントを投稿しよう!