吸血鬼 -Vampire-

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 放課後。いやぁ時間が飛び飛びで申し訳ない。  だが仕方のないことだ。あの後も授業という授業はほとんど寝てたし、休み時間も意識が朦朧としてたせいで記憶に残る物事はなにもないのだからな。  …何自慢気に言ってんだ、俺。  まぁ何だかんだ言っても過ぎた時間は戻らない。これは自然の摂理だ。吸血鬼になろうとこれはどうにも出来ない。  今は資料室にいるだろう吸血鬼に会いに行くとしようじゃないか。 「いるんだろ? 入るぞ」  ドアを開ける。次いで仰天した。  天井までファイルの棚がそびえているため薄暗いはずなのに、明かりは一切付けられておらず、それどころかカーテンが閉め切られているせいで資料室は不気味な闇で支配されている。  暗いこともさることながら、カーテンのせいで室内は異常な熱気に包まれていた。まるでサウナだ。 「…なんだこりゃ…」  明かりをつけようと、壁に指を這わせる。  すると、闇の向こうからアリアの声がした。 「無粋な真似はやめろ。いいから扉を閉めてこっちへ来い」  その一声である。たったそれだけで俺の指が止まった。  自分の意思じゃない。金縛りにでもあったのかと疑わざるを得ない。ふん! ふーん! ふんふん!くそダメだ、動けない。  一体どうなってんだ。
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