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つい気になって、俺はアリアに訊いた。
「アリアは…さ、なんで俺たちを人間に戻してくれるんだ? 新しい体に手下、どっちも手放してまですることか?」
吸血鬼は最初、いきなり何を言い出すんだとでも言いたげな顔になっていたが、やがて懐かしむような憂いの表情を作り、言った。
「私も元々人間だったから、人間に戻りたいという君の気持ちは、よくわかるのさ」
「は…?」
思わず耳を疑った。アリアが元々人間? 生まれた時から吸血鬼だったんじゃなかったのか?
「ここまで生きれば、眷属も何もあったものではないがな」
つまりそんだけ生きてるってことか。
…何歳だ、コイツ。
「つかぬことを聞くんだがアリア、あんた一体歳いくつだブッ!?」
言い終わる前にひっぱたかれた。しかも吸血鬼特有の力で。
無防備だった俺は当然脳を揺さぶられた。余韻でまだぐわんぐわんいってる。
「痛ァ!? な、何しやがる!?」
「それはこっちの台詞だ。女性に年齢を聞くとはお主もとんだ朴念仁だな」
む、確かに少し無神経だったか。
しかし気になるもんは気になるんだよ。仕方ないだろう? 探求心に溢れてるんだから。
…ごめんなさいスイマセン調子乗りましただから腕を振りかぶらないでアリア様!
「全く。…まぁいい」
あれ、なんかこの台詞デジャヴ。
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