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「残念だがお前の考えてるようなことは何にもねーよ」
「そう?」
「ああ」
誓ってもいいくらいだ。
今俺と月宮の間にあるのは、決して恋愛関係などではない。むしろ主従関係、もしくは協力ってところだ。
まぁつまり、そういうドライな関係なのさ。
「ふーん。それは良かった」
何が良いのか懇切丁寧に説明して欲しい。それとも喧嘩売ってんのかお前は。
「それよりさ、ゲーセン行かない? 紫苑ちゃんも誘ってさ」
無視かよ。しかもこれまたいきなりだな。
「ああ、別に構わねぇよ」
実を言えば、俺もそろそろストレスを発散させたいと思っていたところだ。
それはそうと──
「つか、なんで綾川も?」
「いや、そっちの方が君たちにとってもいい刺激になると思ってさ」
「…何の?」
そう言った途端、柊が呆れた顔をした。
「まさかとは思うけど、自覚ないの?」
さっぱり判らん。一体何を言いたいんだ。
「爆発しろ」
さらっとひでぇ!?
しかも何にも説明なしかよ! オイ、無言で席に戻ろうとすんなや!
「はぁ。全く君は鈍いんだから…。ともかく、放課後昇降口で待ち合わせね」
「昇降口? 教室一緒なんだからここから行きゃいいんじゃね?」
「月宮に言うことあるんじゃないの?」
あ。なるほど確かに…。
私用だし、一応月宮に了解を得ておいた方がいいか。
それにしても柊はどうしてこういう時だけ頭が回るんだかな。
そんじゃ、放課後ね。と言い。柊は自席へ返っていった。
…さて、女王様にはなんて説明したことか。
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