狩る者、狩られる者 -Hunter-

3/20
900人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
「残念だがお前の考えてるようなことは何にもねーよ」 「そう?」 「ああ」  誓ってもいいくらいだ。  今俺と月宮の間にあるのは、決して恋愛関係などではない。むしろ主従関係、もしくは協力ってところだ。  まぁつまり、そういうドライな関係なのさ。 「ふーん。それは良かった」  何が良いのか懇切丁寧に説明して欲しい。それとも喧嘩売ってんのかお前は。 「それよりさ、ゲーセン行かない? 紫苑ちゃんも誘ってさ」  無視かよ。しかもこれまたいきなりだな。 「ああ、別に構わねぇよ」  実を言えば、俺もそろそろストレスを発散させたいと思っていたところだ。  それはそうと── 「つか、なんで綾川も?」 「いや、そっちの方が君たちにとってもいい刺激になると思ってさ」 「…何の?」  そう言った途端、柊が呆れた顔をした。 「まさかとは思うけど、自覚ないの?」  さっぱり判らん。一体何を言いたいんだ。 「爆発しろ」  さらっとひでぇ!?  しかも何にも説明なしかよ! オイ、無言で席に戻ろうとすんなや! 「はぁ。全く君は鈍いんだから…。ともかく、放課後昇降口で待ち合わせね」 「昇降口? 教室一緒なんだからここから行きゃいいんじゃね?」 「月宮に言うことあるんじゃないの?」  あ。なるほど確かに…。  私用だし、一応月宮に了解を得ておいた方がいいか。  それにしても柊はどうしてこういう時だけ頭が回るんだかな。  そんじゃ、放課後ね。と言い。柊は自席へ返っていった。  …さて、女王様にはなんて説明したことか。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!