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「お待たせー…ってあれ? どうしたの夜風?」
入れ違いに柊が来て、そう訊ねてきた。その時の俺はさぞ放心していたのだろう。
無理もないと思いたい。何しろ嵐がたった今過ぎ去っていったのだからな。
「いや、何でもない……」
そう返事するしかなかった。
「ふーん? まぁいいや、それよりゲーセンゲーセン!」
お前は楽しそうでいいなあオイ。数ミリグラムでいいからその陽気さ分けて欲しいくらいだ。
柊の後ろには綾川がいた。今日の髪型はツインテール。そのせいかいつもより活動的に見える。
「そう言えば久し振りよね。こうしてゲーセン行くなんて」
最後に行ったのは確か冬休みん時だったか。久し振りって言う程か?
何はともあれ、ハイテンションの柊とツインテールの綾川と共に、俺は近場のゲームセンターへと向かった。
そこで俺は、奴と知らぬ間に顔を合わせることとなるのだった。
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