狩る者、狩られる者 -Hunter-

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 それからしばらくクレープをパクついていると、ゲーセンに一人の女性が入ってきた。  歳は二十代半ばくらい。ブロンドの長髪をなびかせた外国人で、ミュージシャンなのかバカでかいギターケースを持っている。  いやそれよりも問題はその服装だ。上はビキニと黒のジャケット。下は太もも辺りからバッサリ切られたジーンズだった。  なんつー露出度。開放感に溢れ過ぎだろ。  しかもここらじゃお目にかかれないようなボディライン──いわゆるボンキュボンだから目のやり場に困る。  一体何だ。アイツは。  彼女は店内をキョロキョロと見回すと、なんと不運なことに俺と目があった。  慌てて視線を剃らすも、既に時遅し。ターゲットを俺に絞った露出女は、ずかずかと近寄ってきて、口を開いた。 「Excuse me?」  うおお……、やっぱ英語かよ。 「but, I'm looking for a person who is my supporter.Do you know him? He is student」  捲し立てるようにべらべらと喋ってるが、発音が早すぎるために何が何だかさっぱりだ。  苦し紛れに、片言の英語でこう返した。 「あ、アイキャントスピークイングリッシュ」 「あら、ごめんなさい」  ってオイ。日本語話せたんかよ。
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