狩る者、狩られる者 -Hunter-

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「学生服着てるから、つい…」  悪かったな理解できなくて。落ちこぼれ舐めんな。 「じゃあもう一度、今度は日本語で言うわね。協力者を探してるの。彼も学生なんだけど、知らないかしら?」 「さぁ……。というか、いくらなんでもそれじゃ情報が少なすぎますよ。名前とか判らないんですか?」  すると彼女は困った表情を作り、 「ごめんなさい。わからないわ。でも頭文字はH,Aだったの」  頭文字言われてもなぁ…。  そもそもここは、この辺一帯の中高生が集まる場所だ。ウチの学校ならともかく、他校となると手も足も出ない。  加えて名前すらわからないとなると、もう八方塞がりだ。 「すいません。俺たちじゃ力になれそうにないですね。奥に行けば、もしかしたら見つかるかもしれませんよ」 「それもそうね。ありがとう。えーっと…」 「あ、俺夜風っていいます」 「そう。私はシンシア。縁があったらまた会いましょう、夜風君」  そう言って露出女──もといシンシアなる外国人はゲーセンの奥に消えていった。  出来るなら二度と会いたくない。ホント目のやり場に困るから。マジで。 「むー……」 「で、何でお前は唇を尖らせてんだよ」 「知らないっ」  ふいっと綾川はそっぽを向いてしまう。もう、何なんだー!?  その後綾川をなだめる為、更なる出費をせざるを得なくなったというのは、また別の話である。  うう、俺の小遣いが……。
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