運命の始まり

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東京都渋谷区 ハチ公前 17:30 政府は選出した彼らを呼び出し、忠犬ハチ公前に集めた。 いつもの賑やかさが嘘のようにその日の渋谷は閑散としていた。 交通規制が施されており、参加者以外は入れないようになっているのである。 やがて、参加者が全員集まり司会者が話し始める。 ある程度話し終えた後、奴は今までの無表情を崩し、ヒステリックに笑い宣言する。 『これからXゲームを始める』 司会者の豹変に彼等は混乱し始める。 それも束の間。 『被験者を昏睡させろ』 奴が発言した後、黒装束で身を固めた屈強な男達が辺りを包囲した。 彼らは手に持っている消火器のようなものを僕らに向けて噴出した。 周囲にガス捲かれそのうち意識が薄らいでゆく 意識が途切れる直前に奴を見た。 最後に見た奴の顔は悦楽で歪んでいた。 被験者が昏倒し、トラックに積まれて運ばれた後、奴はまだそこにいた。 奴の顔には、今だに狂気と悦楽が浮かんでいる。 奴は彼等が運ばれゆく方向を仰ぐ。 そして、こう言葉を紡ぐ。 『さぁ、ゲームを始めようか…。殺戮と狂気に満ちた至極のゲームをな!!!!』 奴はそう言い、笑いながらその場を去った。
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