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『ふざけるな!狂ってる、狂ってるよ・・・』
例え奴が聞いていなかったとしても声に出さずにはいられなかった。
『それでは今から命がけのゲームを始めようか』
奴は高らかに宣言する。
『その前に一つ説明をする必要があるか』
今更何を説明するっていうんだよ・・・。
俺は、もう何が何だか分からなくなってきた。
もうどうにでもなれ、そう思っていると再び奴の声が聞こえる。
『君らの体の中にはGPS、つまりは発信機が埋めこめられている。』
ちょっと待てよ。
今奴は何て言ったんだ・・・?
体に発信機を埋め込む・・・だと?
人権侵害もあったもんじゃないだろ!
『だから諸君は私から逃げられない。分かったか?それと、腕に付いているリングだが、そこには毒針が仕込まれていてな・・・。ミッションを達成できなかった者は、その毒によりもがき苦しみながら死んでゆく事になるのだよ!!』
・・・。
最悪だ、こいつは本当に同じ人間なのか?
『あぁ、言い忘れてたな。必要な物はリュックサックに入っているから勝手に使え。』
『それでは最初のミッションだ。一週間生き残れ。諸君らの健闘を祈る。』
そう言った直後、スクリーンの明かりが消えた。
『まずは仲間を見つけなきゃならないな』
始まってしまったからにはしょうがない。
最後まで生き抜いて奴の息の根を止めてやる。
そう決意して出立の準備を整える。
そして、部屋の戸を開け歩き出した。
彼は突き進む、これから己が身に起こりうる惨劇も知らずに・・・。
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