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僕は急いで駅を出て自転車に乗る。
電車は時速何kmを出してるかわからない。
でも僕は必死にペダルをこいで自転車を走り出す。
線路沿いの下り坂を下っていく。
君に追い付くように、風よりも早く飛ばしていく。
錆び付いた車輪が悲鳴を上げている。
もう壊れるんじゃないか。
そう思っていると電車と並んだ。
君を必死に探すけど見当たらない。
電車はゆっくりと僕から離れていく。
その時、電車が発車した時を思い出した。
あの約束した時…あの時、ドアの向こう側で泣いてたんだろう?
寂しいのは僕だけじゃなかった。
あの時、やっと僕は気付いたんだ。
顔見なくてもわかってたよ。
君が泣いてた事ぐらい。
だって、声が震えたから。
あの約束が頭の中で蘇る。
『約束だよ。必ず、いつの日かまた会おう。』
「必ず…いつの日か必ず…」
その約束を確かめるように何度も呟き、涙を零しながら、猛スピードで離れていく君に見えるように大きく手を振った。
あの時、僕が手を振っていた事を君が気付いてたかは知らないけど、僕は精一杯振った。
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