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僕たち二人は駅の前に自転車を置き、中に入る。
券売機を見るのは初めてじゃない。
でも、一番端にある一番高い切符が行く街を僕はよく知らない。
行った事も無いし、名前を知ってる程度。
君は今からそこに行くんだっけ。
今日から調べなきゃな。
そんな事を考えながら、券売機の中で一番安い入場券を買う。
すぐに使うはずなのに財布の中に大事にしまった。
君は一番高い切符を買うと改札口を通るけど、一昨日買ったばかりの大きな鞄の紐を改札に引っ掛けてる。
君は改札を通れず困り、僕を見た。
僕は君の目と合わせず頷いて鞄の紐を改札から外す。
君は笑顔で「ありがとう」と言ったけど、僕は笑顔になれない。
だって、君が遠い場所に行くから。
出来ればずっと傍に居てほしい。
叶わぬ願いを内に秘めてるだけで言葉に出さず、僕も改札を通っていく。
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