10、光

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真っ暗なベランダ そこには小さなローソクに火が灯って2人を照らしている 「悩みなんてたくさんある」 そんな言葉から始まる 「悩みすぎてたくさんの人を傷つけて、たくさんの人を失った」 「…。」 ただの愚痴でしかない言葉を彼女は無言で聞いてくれている どのくらい喋ったのだろう それでも彼女はそこから動こうともせず話を聞いてくれていた 「俺には光がない。照らしてくれるものがない。だから…」 その言葉と同時にローソクの火が消える けどすぐに明るくなる 彼女が隠しておいたローソクに火をつけて照らしてくれた 「光を照らすのは一人では難しいよ」 そう言って2人の間にローソクを置いた
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