消えぬ罪 帰らぬ人よ

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夜の闇の帳に閉ざされた世界。 それに対抗するかのように、紅い光が小さく存在していた。 そこは小さな村。 その小さな村に火の手が放たれていた。 人影はある。しかし動く人影は見当たらない。 「あ、あ……ぁ」 そんな場所に、小さな声が響いた。 周りの人影は血を流して倒れているというのに、小さな声の主は血を流していない。 ――自分の血は。 「これ……、僕…………が?」 他人の血で彩られた自分を見つめ、呆然と呟く。 何をしたか、覚えている。 それが罪の意識を加速させていた。 「ぅ……ぁ…………」 自分の目の前で、明らかに致死量を超えている程の地を流している少女からうめき声が聞こえた。 「ひっ……!」 動けるはずのないものに脅える。 脅えたときに出た声に、目の前で死に掛けている少女が反応した。 「れ、ぃ?」 自分の名前を呼ばれた。 自分が殺した相手に。 「レイ、の……せいじゃ、ない……よ」 嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 聞きたくない! 「ごめ…ね……。しあ……せに……てね」 死んだはずなのに確かに生きていた少女は、今度こそ帰らぬ人となった。 「あ……あ…………あああ……、あああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
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