本戦 闘争と血

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「水属性の結衣さん、魔法の解説をお願いします」 「え?うん。盾水は別名純水。真水ほどではないけど、火属性に対しては結構なアドバンテージになるの。だけど盾水は名が示す通り盾となるものだから、真水による攻撃くらい火属性にとっては厄介なものになるの」 「なるほど。さっぱり分からん」 「まあ、火属性に有利、って分かってれば良いと思うよ」 結衣による解説を聞いていると、魔法同士がぶつかり合って相殺した。 結衣の解説を聞く限りでは、盾だけが残りそうなものだが。一年生の技量の問題かシンスの技量の問題か。おそらくは両方なのだろうが。 しかしあの一年生、中々強かである。先の魔法、足元の水分を大量に使用したため、今はしっかり地面を踏みしめている。 「中々器用じゃねえか」 「先輩こそ、魔法はあまり得意ではないといいつつ、並立魔法を軽々と扱ってくれますね」 並列魔法とは名前の通り。二つ以上の魔法を同時に発動する技術である。 先にコレ、後にコレと言う形で魔力を練り、同時に使用すると言う形態ではそこまで難しくは無いが、シンスは練った魔力を二つに分けて同時に魔法を作った。これは結構な高等技術である。 先の攻防だけで、緊張からか体力を大量に消耗している一年生。ダメだな。常に平静を保たないと。集中力に欠けて、魔法の発動に失敗が出るぞ?
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