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――市内西部 海岸沿い――
「まったく、もうちょっと静かな降下方法は無いのかねえ。」
などと文句を言いながら、体に装着した衝撃を吸収するための器具を外していく。
どれもかなりの重量で、浜に落ちる度に大きな砂煙があがった。
「ああ、もう、ちくちくと鬱陶しいな!」
着地した際に色々な所に砂が入り込んでしまい、服の内側は非常に不愉快な状態になっている。
少し北に行けば、海水浴専用の区画があり、無料のシャワー室もあるので、とりあえずそこまでは我慢することにした。
「行動予定表は……えっと、市役所で協力者と合流せよ、か。」
憂露の持っている広い人脈のおかげで、情報部が独自に動いているだけにも関わらず、色々な部署が協力してくれている。
空港の管制官、輸送機を操縦する空自士官、そして市役所職員。
実は憂露は大物ではないか、しかし普段の姿を考えて、いやいやそんな馬鹿な、と思い直すのであった。
海水浴場はもう、すぐ目の前である。
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